Archive for the ‘book’ Category

1月23日

▼自分は近頃恐ろしく気持ちが楽になった。これは年齢の加減かもしれんが、一ツには「如何にして生くべきか?」について考えることをやめたからだ。つまりこの何十年かというもの、僕はそんなことばかり考えてくらして来たのだ。単に「如何にして生くべきか?」ではなく「如何にして己れを忠実に、正しく生きるべきか?」ということについてだ。散々(さんざん)パラ考えぬいた揚句、面倒になったのでダダイズムという奴を発明(しかしこれは本家がいる)したのだが、それがまた一ツの重荷になってしまった。そうして未だに僕はダダイストにされている。なんと命名されてもだが僕には一向気にならん。それからニヒリスト。

辻潤『風狂私語』

11月8日

金曜日に同業者の知人数名と馬場で飲み。飲みの席で禁煙の報告をすると、同席していたタバコを吸わない男性二人が実は以前吸っていたことが判明。それなりに禁煙に苦労した話を聞いて驚く。

週末は久しぶりに予定が何もなかったので、買い物以外外出せずにのんびり自宅で過ごす。描きかけの水彩画を完成させる。かなり気に入った出来になった。この方向性でしばらく描き続けることになるだろう。

10月30日にレヴィ=ストロースが亡くなった。

5月14日

相変わらず外付けの HDD が不調で、過去の仕事のデータとか iTunes のデータとかまた消えそうになったので、リタイヤしたはずだった PATA 接続の 250GB HDD 2台を使って一日がかりで復旧作業。何とかうまくいきそうだけれど、念のためこれらの HDD にもデータをバックアップしておくことにした。やれやれ。

昼過ぎに校正の戻しが来たので、復旧作業をしながら作業。

昨日新宿に出る用事があったので、久しぶりに荻窪まで歩く。いつもは朝通勤のために歩くコースだけれど、夕方歩くのははじめてで、住宅街や駅前付近ですれ違う人の多さや種類がけっこう違っていた。荻窪駅前のブックオフで文庫を2冊買う。

  • 中上健次『十九歳のジェイコブ』(角川文庫)
  • 向田邦子『隣の女』(文春文庫)

明日は、近所に住んでいるという去年の受講生と夕方から飲み。久しぶりに会うので楽しみ。

4月16日

向田邦子『冬の運動会』(文春文庫)読了。よくできた小説だった。今は中上健二『枯木灘』(河出文庫)を読んでいる。読み始めにもかかわらず複雑な関係の登場人物が多数出てきて難儀する。中上健二はなんといっても顔が魅力的だ。

ずっと暑い日が続く。ちょっと早いとは思ったけど、職場には半袖のシャツで通っている。

4月9日

休みが明けて急に気温が上がり、電車の中では汗ばむほど。

資源ゴミの回収の日だったので、出勤前に空になったシェービングクリームの缶に穴をあけガスを抜こうとしたら、少し残っていたクリームが台所一帯に飛び散る惨事。出勤前なのに。

向田邦子『無名仮名人名簿』(文春文庫)読了。今は向田邦子『冬の運動会』(文春文庫)を読んでいる。向田邦子ばかり読んでいるのは、ブックオフで破格の安さであるという理由もある。

4月4日

仕事をしようと思っていたけれど、風邪で頭が重く終日寝たり起きたりで、結局仕事には手を付けられず。

通勤中に読んでいた向田邦子『無名仮名人名簿』(文春文庫)は気づいたらあと一話で読了。火曜日には次に読む本を用意せねば。

以前向田邦子について、

向田邦子を読み続けているうちに、だんだん彼女の輪郭が見えてくる。多くの人を魅了する彼女の才能や美貌を、やはり僕も魅力的だとは思うものの、その如才無さが鼻につくかもしれないなと思ったり。こういう人が近くにいると、小学生のようにわざと毛嫌いするのかもしれない。

と書いたけれど、読み続けているうちにその印象もまた気にならなくなりつつある。僕はおそらく、まずそういった思い込みから人と接し始めるタイプの人間なのだろう。言い換えれば人を見る目がない人間なのだ。

2月9日

全く先の見えない急ぎの仕事が入って、どうしたものかと作業していたら何とか着地点が見つかってきたという状態。ここ半月ほど大きめの仕事をこなしていて、半年がかりの仕事はようやく終了し、一ヶ月ほど関わっていたサイト制作の仕事もようやくアップできた。(どちらも修正が入ることは間違いないのだけれど(泣))

日記にも書いていないように、最近は戎で飲むことがほとんどない。夕方から真夜中(あるいは朝)まで作業しているという理由もあるのだけれど、最近はどうしようもないほどひどく貧乏なのだ。貧すれば鈍するというけれど、西荻の駅前まで行くことすらほとんどなく、自炊して作業して寝るというだけの引き蘢り生活。

ちょっと時間と精神的なゆとりが出てきたので夕食がてら南口戎で飲み。飲んだ帰りに伏見通り商店街をふらつく。駅前の商店街をふらつくという、こんな当たり前のことも最近はできなかったのだ。商店街の古本屋で、

  • 向田邦子『無名仮名人名簿』(文春文庫)
  • 向田邦子『冬の運動会』(文春文庫)
  • 澁澤龍彥『思考の紋章学』(河出文庫)
  • 巌谷國士『澁澤龍彥の時空』(河出書房新社)

を買う。そういえば日記に書かなかったけれど、数日前には

  • 向田邦子『愛という字』(文春文庫)
  • 中上健次『枯木灘』(河出文庫)

を買った。

自宅に戻る途中にどんぐり舎で、これまた数ヶ月ぶりにマンデリンを挽いてもらう。ここのマンデリンを飲めるというだけでも西荻に住み続ける理由があるというものだ。なんだかいろいろ泣きたくなってしまう一日。

1月18日

向田邦子『あ・うん』(文春文庫)読了。水田一家と門倉の交流を描いた小説。水田と門倉の男同士の関係性を狛犬の阿吽(あうん)に準えたらしい。個人的にはこのタイトルはちょっとこじつけっぽいように思う。

解説を書いた山口瞳によると、この小説は前半の方がよくできているそうだけれど、登場人物にいろいろな変化が起こって物語にすっかり巻き込まれてしまうのはむしろ後半ではないかと思った。門倉が密かに恋心を抱いている水田の妻たみはほとんど何も語らないので、むしろ娘のさと子がこの小説の狂言回しのように両親や門倉について語るのは、うまい手法だなと思った。

いわゆる小説家が書いた小説ではなく、テレビドラマの脚本家が書いた小説という先入観があるので、例えば恋愛の描写などでさほど感情移入できなかったりする。あるいは、僕が彼女の作品をエッセイから読み始め感銘を受けたからなのかもしれない。個人的には向田邦子の作品は短いエッセイの方が才気あふれていると思う。

土曜日は修了制作のための教室開放と定例会。定例会では PHP の講義。プログラム系の講義では、相変わらず借りてきた猫のようにおとなしくダメダメな生徒になる自分。

1月2日

伊豆最後の日。朝食を食べてダラダラと過ごす。河津町での年末年始は全て快晴だったので、とても印象がよい。昼頃帰るつもりだったけれど、昼食を食べていきなさい、と N 君のお母さんに言われてお言葉に甘えることにした。茹でたての伊勢エビとサザエ、そしてすき焼。贅沢過ぎ。結局午後1時くらいに宿を出る。行きは夜中だったので景色が全く楽しめなかったけれど、帰りは十分堪能できた。

ぼんやりと予想はしていたものの、東京までの道は数カ所で渋滞。午後8時がレンタカーの返却時間だったけれど、結局30分前に到着。伊豆での年末年始は、何も考えずひたすらダラダラ過ごすのが目的だった。思う存分ダラダラできたという意味では最高の贅沢ができたと言えるだろう。

向田邦子『向田邦子全対談』(文春文庫)、向田和子『向田邦子の恋文』(新潮文庫)を持参し読了。向田邦子を読み続けているうちに、だんだん彼女の輪郭が見えてくる。多くの人を魅了する彼女の才能や美貌を、やはり僕も魅力的だとは思うものの、その如才無さが鼻につくかもしれないなと思ったり。こういう人が近くにいると、小学生のようにわざと毛嫌いするのかもしれない。